第2回

4月21日、22日

1日目
歯周病患者の個体差 (受講生の症例に対する参考症例も含めて)
骨縁下ポケットへの対応(上下分岐部病変への対応) 千葉英史、鎌田征之

根尖性歯周炎の治し方              千葉英史

ゼミレポート

第2回基本ゼミ1日目は千葉先生に「歯周病の個体差」「根分岐部への対応」「根尖性歯周炎の治し方」についてご講義いただきました。

午前中は「歯」「口腔」「患者」の3つのレベルで歯周病患者をとらえて対応していくことの意義を学び、また、罹患度、進行性、回復力という観点から歯周病の流れを読むことの大切さを学びました。受講生の宿題症例に対して、参考症例をもって症例の見方などを千葉先生とのキャッチボールの中で学び、症例の問題点や予後予測など、新たな発見をされていました。

また、歯周治療を行う上で根分岐部病変の存在は問題を複雑にし、その対応に悩むことが多いですが、それぞれの病変を落ち着いて系統立ててみていくことで意外にもその対応はすっきりと整理されていくことを学び、また根尖性歯周炎という基本的な治療ステップに関しても千葉先生の精密かつ細やかな技を知ることができ、明日からの臨床ですぐに実践できる内容でした。

 歯周治療は患者の協力が不可欠で、長期にわたる治療やメンテナンスに来院してくれることが欠かせませんが、我々歯科医師が患者の個体差を理解し、過不足のない対応をすることが安心感を感じてもらうことにつながり、そこで信頼関係ができるからこそ長く患者と関わることができるのだという千葉先生の臨床をご講義の中で感じ、とても胸が熱くなりました。

2011年度基本ゼミ卒業生 アシスタント  中西恵美


2日目
う蝕治療の基本 須貝昭弘

成人の歯牙移動 猪狩寛晶

ゼミレポート

2日目の午前中は須貝先生にう蝕治療の基本についてご講義いただきました。歯科疾患の中でう蝕というのは基本的なものであり、歯科医師ならば誰でも見つけることができると思われていますが、実際はとりこぼしてしまうことも多く、臼歯部の裂溝においてはう窩を開けてみたらびっくりということもあって、だからこそう蝕の診断はより慎重に行うべきであると思います。視診やX線写真、触診などで診断することが多いですが、特に象牙質う蝕においてはDファインダーを使用した触診の有効性を学び、また、深在性う蝕になってしまった場合はHY剤を使用し、できるだけ歯髄保存に努める大切さを学びました。う蝕は歯が存在する以上ずっとつきまとう問題であるからこそ、永久歯が生えたばかりの小児のころから意識していかなくてはならず、患者の10年20年それ以上を見据えた臨床をされる須貝先生の一つ一つの言葉を聞きながら、自分の臨床でそれができているのか反省をするばかりでした。

午後は猪狩先生に成人の歯牙移動について症例を交えながらご講義いただき、その後MTM実習を行いました。より良い環境で歯を保存させるために歯牙移動は多くの場面で必要になりますが、その中でも基本的なアップライトと矯正的挺出を実習で行いました。猪狩先生が作られた実習用模型の中で歯がどんどん動いていく様子を見ながら、受講生の先生方は曲げた装置の改善点などを見つけ、明日からの臨床で生かしていこうと必死に学ばれていました。

2011年度基本ゼミ卒業生 アシスタント  中西恵美