第5回

7月21日、22日

1日目
パーシャルデンチャーの設計に困る症例(受講生)金子一芳

長期経過症例からの回答                  金子一芳

講義の様子

ゼミレポート

 いつものダイビル第一会議室、受講生は柱で隔てられた4つの島に着席し、金子先生とのキャッチボールで第5回基本ゼミは始まりました。

「いま困っているパーシャル・デンチャーの症例」をテーマに集まったのは混沌たる問題を抱えた症例たち、またそれにシンクロするかのように術者たちの多くも欠損歯列を前に混沌の中を泳いでいるのがスライドからひしひしと伝わってきました。顎位低下、咬耗、重度ペリオ、すれちがいなどのあらゆる問題と向き合っていましたが、金子先生との対話の中で本当に見るべき問題点が浮き彫りになっていく様子はまさに圧巻で、午後は金子先生の症例を通して先生はどのようにアプローチしたのか、そして長期経過の中でどのような変化があったのかを学びました。私たち若手は日々の臨床の中で手も足もでないようなケースと出くわす場面は多く、しかも生体を相手にしている以上敵は千差万別、正解なるところは誰にも分からないのですが、だからこそ自分の仮説をもとに手を動かしてそれが生体に許容してもらえるのかどうかを常に観察し見つめ直すべきなのだと改めて痛感しました。

 「欠損歯列にペリオが絡むと一気に問題は複雑になる」「無理な歯を無理に残そうとするから先が見えなくなる」「挙上はできるだけ避ける」などの金子先生の言葉ひとつひとつに導かれながら、大きく離れた4つの島人たちはいつしか同じ先を見つめ、目の前の症例の数十年後に思いを馳せながら今何をやるべきかを必死に学びとろうとしていました。

2011年度基本ゼミ卒業生 アシスタント  中西恵美


2日目               

プロビジョナルの重要性                 設楽幸治

義歯の設計と製作     萩原 治
金子歯科医院 歯科技工士